マンションの価値を左右する修繕計画
経常修繕と計画修繕
分譲マンションの建物を維持する重要なポイントが修繕。マンションは竣工時から気象などの影響による劣化が始まると言われており、点検と修繕の良し悪しがマンションの価値を左右するといっても過言ではありません。修繕には、日常的に小規模な修繕を行う「経常修繕」と、大規模な工事をともなう「計画修繕」があります。
経常修繕とは
劣化程度が小さく、その都度行う日常的な修繕を「経常修繕」といいます。費用は比較的少額で、一般的には管理費でまかなわれるものをいいます。
小さな不具合でも放置すると劣化が加速し、後日多額の修繕費がかかることもあるので、日常の点検と修理をしっかり行うことが大切です。
- 経常修繕の例
- 雨漏りなどの部分的な修繕
- 水漏れ事故など緊急時の修繕
- 共用部分の照明など各種機器の部品交換
- 共用部分の鉄柵や鍵などの軽微な修繕
- 共用部分の床や壁などの軽微な修繕
- 設備の破損など軽微な修繕
- 給水ポンプなど設備の不具合の対応
計画修繕とは
経常修繕に対し、建物や設備機器等を一定の時期(周期)に計画的に修繕していくことを「計画修繕」といいます。
マンションのように大規模で集約型の建築物には、たくさんの建築材料や設備機器が使われており、使われる部位、部材、機器によって劣化の進み具合は異なります。それぞれの材料や工法、機器などの特性に合わせて修繕周期の目安がガイドラインとして定められており、これにしたがって修繕の計画を立てます。
- 計画修繕(大規模修繕)の例
- 外壁の塗装工事
- エントランスなど共用部分の内装工事
- 鉄部などの塗装工事 屋上や屋根部分の防水層の修繕工事
- バルコニーなどの防水工事
- 給水・排水管の補修工事 エレベーターの補修工事
- 機械式駐車場の補修工事
マンション劣化の3要素
下記の3要素が複合的に組み合わさって建物は劣化していきます。これらの組み合わせのバランスが、マンションの耐用年数に影響を与えるため、それぞれの部位、部材、機器別に修繕周期を定め、計画的に修繕を実施していきます。10年、20年周期で大規模な修繕工事が必要になってきます。
- 物理的劣化
- 外壁のひび割れや雨漏り、鉄部の錆びなど、経年による劣化が物理的劣化。雨水や空気中の炭酸ガスなどによる影響や、長年人が暮らすことなどによる損耗があげられます。
- 機能的劣化
- 機能的劣化とは、建設当初にはなかった高性能な設備機器や材料の開発によって、その機器類が老朽化した状態になること。法的な規制の変化によって、更新の必要が出てくる場合も含みます。
- 社会的劣化
- 高度情報化、生活スタイルの多様化など、社会的なニーズが変わったことによって生じる劣化が社会的劣化です。
修繕周期の目安
修繕時期は、使用されている材料や設備の耐用年数やマンションの立地・環境条件によって変動します。
以下の「修繕周期表」は、当社がお勧めしている修繕周期の目安です。
表の通り、およそ10~15年置きに大規模修繕工事にともなう大きな支出が出てきます。
このときに「修繕積立金」が不足するなどがないよう、管理組合理事会は事前(2~3年前)に工事費用といっしょに「修繕積立金」の増額を検討し、準備することが大切です。
JSの大規模修繕工事
当社は、60年以上に渡る管理実績をもっており、多くの大規模修繕工事を手がけてきました。実例をご紹介します。
大規模修繕工事
外壁塗装、給・排水管の取替工事など集合住宅の生活環境を維持していくための工事を行なっています。
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