事業・活動案内

海外業務への取組み

背景

日中両国は、日中建築住宅会議及び日中建築・住宅技術交流会議を通じて、長年にわたり建築・住宅技術について連携し交流しています。
これまで当社は国やUR都市機構等からの協力要請を受け、海外からの視察者に対し、日本における集合住宅の管理、修繕維持等に係る活動を紹介してきました。また、2017年12月にUR都市機構と中国建設科技集団との間で締結された「中国既存住宅改修プロジェクト」に係る「戦略連携覚書」の実施参加企業として当社は設計・施工の分野で協力しています。
なお、「戦略連携覚書」は、2020年12月に連携期間が3年から6年に延長され、新たな分野として、技術移転状況に対する評価と改修標準の取りまとめに参加する業務が追加されました。

中国既存住宅における現在の課題

現在、中国では高経年化したストック住宅が相当量あることから、既存住宅の改修・改造に関連する施策が注目されています。
社会の変化により中国の既存住宅では、設備機器の陳腐化、設備配管・配線の老朽化、収納空間の不足及びバリアフリーへの対応等が求められています。さらに、ライフスタイルの変化に対応した室内空間利用及び適切な維持管理の他、屋外廻りや給排水管等の共用部の改修も課題になっています。

中国既存住宅改修プロジェクトの実施

「戦略連携覚書」に基づき、2018年に中国側の実施参加企業である中国建築標準設計研究院から、「中国既存住宅改修プロジェクトコーディネート業務」を受託しています。これは日本式改修の観点から設計及び工事管理等にアドバイザリーサービスを行うものです。
さらに、2019年には「日本製品の購入及び納品代行業務」と「日本式の施工方法に精通した技能者による施工指導を行う業務」を追加で受託し、北京市内で2戸のモデル住宅が完成しています。

  • 【2LDK:リビング】
  • 【2LDK:キッチン】
  • 【3LDK:DK】
  • 【3LDK:寝室】

中国既存住宅改修プロジェクトコーディネート業務

  1. ①設計アドバイザリー業務
    中国作成の改修基本設計案へのアドバイザリーサービス及び日本式改修設計案の提供
  2. ②工事アドバイザリー業務
    中国が実施する施工管理業務について、日本式改修の観点からの技術支援
  3. ③確認、評価及び提案業務
    工事の各段階において、出来栄え等の評価を行い、改善が求められる事項について改善方法を提案
  4. ④日本式の施工指導
    日本製品の導入による二重床、膜天井、シャワーユニット等に係る日本式の施工方法に精通した技能者による施工指導

低騒音工具(当社開発品)による解体作業指導
低騒音工具(当社開発品)による解体作業指導
二重床施工指導
二重床施工指導

トイレ・シャワー室・洗面の改修例

トイレ・シャワー室・洗面の改修例(Before/After) ◎Before=一室(トイレ・シャワー室・洗面) ◎After=三室分離(トイレ・シャワー室・洗面)

キッチンの改修例

キッチンの改修例 (Before/After)

2022年度の活動

WEB会議の開催

「戦略連携覚書」に基づく4者(UR都市機構・JS・中国建設科技集団・中国建築標準設計研究院)は、新型コロナウイルス関連による渡航制限が引き続き実施されていることからWEB会議を実施いたしました。中国既存住宅改修に係る課題の検討について話し合われ、また、「日中既存住宅改修技術交流セミナー」の実施に向けた協議調整も行われました。

UR都市機構と中国建設科技集団主催による「日中既存住宅改修技術交流セミナー」の開催

2023年2月17日に「中国既存住宅改修プロジェクト」の成果発表を目的として、「日中既存住宅改修技術交流セミナー」がオンライン形式で開催されました。新型コロナウイルスの影響により約3年越しの開催となりましたが、日中合せて1万人以上(中国側発表)が視聴しました。当社は「中国既存住宅改修プロジェクト」の成果として日本式技術の応用による成果と将来に向けた取組みについて発表しました。

【日本側配信会場】

【中国側配信会場】

今後に向けて

中国既存住宅改修に関する検討の実施

中国では既存住宅改修市場の需要拡大が見込まれていることから、2022年度は「中国既存住宅改修に係る関連基準等の整理と改修方法の検討」を行い、将来に向けた「改修技術提案イメージ」を作成し、今後の技術交流に活用することとしています。

海外関連協議会への参加

日中建築住宅産業協議会及び国際建築住宅産業協議会に引き続き会員企業として参加し、情報収集を行っていきます。